カルメンをモチーフに、ドン・ホセの波乱の人生を描いた「愛」の話。
ホセは、規則を守り正義感のある人物なのだが「愛」がその人生を狂わせる。
フランスの小説家メリメがスペイン旅行中に一人の男と出会い、
彼をモチーフに、小説を書く。
その男が、ドン・ホセなのだが、小説家のメリメは、実在の方がモチーフでカルメンの原作者。初演は、1999年ですが2010年にも開演されている。
99年初演の舞台では、第54回文化庁芸術祭演劇部門優秀賞を受賞している。私は観ていて「こうも、人は転落していくのか?」と、思っちゃいました。
ジプシーの娘(ドンが愛する人)は、まさに「悪女」。腹が立つ位の悪女。
時折、悲しげな描写があり、「ほんとうは、寂しがり屋さん」的なシーンも見受けられるのですが、
そんなの関係ないと、思ってしまうほど、悪女。
でも、絶世の美女。
ドンが気のどくでならない感じでした。愛がテーマですが、ハードボイルドタッチで男性向けかもしれない。
なかなか、荒々しい印象を受けました。
しかし、自由で悪女、でも、悲しみを秘めているなんて、
男の人の人生をも狂わせてしまう美は怖いね〜。