苅萱堂

 苅萱堂(かるかやどう)



 本尊・地蔵菩薩(引導地蔵)


 かつて日本人ならだれでも知ってる話「石童丸の物語」のお寺です。


 ざっくり説明すると、繁氏には妻と側室がいました。妻と側室は中が良さそうに見えましたが、妻は若い側室に嫉妬。ある夜、妻と側室は囲碁をたしなんでいましたが、障子越しに髪が逆立ち蛇となって絡み合ってるように見えました。


 妻は側室の殺害を計画しますが、家来のはからいで他人が身代わりに。この時、側室は子供がお腹に。繁氏は、この事を知って深く深く後悔。領地も妻子もすべて捨てて出家。安養寺円慶の弟子となって円空となる。大変な修行をし寂照坊等阿(等阿弥陀仏)と号したといいます。妻子が訪ねて来て恩愛に引かれるのを恐れ、女人禁制の高野山へ。萱の屋根の質素な庵を結んで一心に修行に励み、刈萱道心となる。


 一方、命が助かった側室は播磨国は太山寺の観海上人のもとに身を寄せ、子供を無事生む。石童丸と名付けました。石童丸が大きくなった頃、刈萱道心という僧がいるという噂が。その僧こそ繁氏に違いないと確信。側室は、石童丸をつれて高野山へ。高野山は女人禁制。女人堂からは石童丸一人で。探し回っている中、偶然、刈萱道心に会い事情を告げる。「繁氏という人は去年の秋に亡くなった。ちょうどそこにあるのが、その墓である」と近くにある適当な墓を指し示した。

 石童丸は墓の前で泣き崩れたのでした。母の所に戻るも、母は旅の疲れてで他界。身寄りがない石童丸は、刈萱道心の弟子になり厳しい修行へ入った。刈萱道心は、生涯、実の父である事を隠し続けました。それぞれ一刀三礼して地蔵菩薩を彫っています。「親子地蔵」として、信仰を集めています。

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