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十番札所 切幡寺

 切幡寺(きりはたじ)

 弘法大師が僧衣を縫う為に、機織りの娘に布切れをお願いした所、織りかけていた布を惜しみなく差し出した。心打たれた大師が娘の願い(父母の供養)を叶えるために「千手観音像」を掘り、灌頂(かんじょう・仏門の入信儀式で香水を頭に注ぐ)をした。すると、娘は光輝き千手観音菩薩になったそうです。

 また、ここの大塔は豊臣秀頼が秀吉の菩提の為に大阪の寺に寄贈したもの。
しかし、明治維新の神仏分離令の時に移築したものだそうです。
見過ごしてしまいそうですね。

本堂横から階段で少し登る所にあります。

 大塔まで行くと、川や焼山寺がある山が見える。大塔は、国の重要文化財にしていされています。

本尊真言・おん ばさら たらま きりく

御詠歌・欲心を ただ一筋に 切幡寺 後の世までの 障りとぞなる


十一番札所 藤井寺

 藤井寺(ふしいでら)

 弘法大師が42歳の時、自らの厄難を払う為に「薬師如来像」を掘りました。
修行しながら、五色の藤を植えたそうです。

 ここも、長曽我部元親(ちょうそかべもとちか)の兵火で焼失。もう、この人(汗)
何回目?お寺焼いてんの。まだ十一番なのに。だんだん興味が出てきたり(汗)

 違う時代にも火事になりますが、本堂は焼失を免れた。この事から、魔除けの薬師として親しまれたそうです。

大師の手植えの藤棚もありますよ。

 ここだけが「てら」と読むそうですが、なるほど!そうですね。
本尊は、国の重要文化財に指定されています。

ここから、焼山寺は難所中の難所で有名です。歩く人しか見れませんが、
古い遍路道が残っており、弘法大師が休憩した後や石仏・標石などがあるんだそうです。見てみたいけど、お四国遍路最大の難所なので大変そうです。
遍路ころがしと言われています。

本尊真言・おん ころころ せんだりまとうぎ そわか

御詠歌・色も香も 無比中道の 藤井寺 真如の波の たたぬ日もなし


十二番札所 焼山寺

 焼山寺(しょうさんじ)

 素晴らしい見晴らし!四国霊場で二番目に高い所にある焼山寺。駐車場から参拝まで、少し歩きます。しかし、その間にある様々石仏や湧き水場などチェックポイントが満載です。凄い木が沢山あります。完全に非日常の世界です。

 なんと!この山には「火を噴く大蛇」がいたそうです。困った村人を虚空菩薩の力を借りて、弘法大師は撃退した。虚空菩薩を掘り、ご本尊にしたそうです。

 ここが、どれほど厳しい所にあるか?よく分かる言葉があります。
「一に焼山、二にお鶴、三に太龍」と言われています。

 また、遍路をするにあたって重要な人物の衛門三郎(えもんざぶろう)のお墓が、車道を少しおりた所にあります(杖杉庵)。

 ここは、木を倒すことなく建物があるのが印象的です。ほんとに、真っ直ぐな大きな木を沢山見る事が出来ます。

 足利尊氏(あしかが たかうじ)の祈願所でもありました。

本尊真言・のうぼう あきゃしゃ きゃらばや おんあり きゃまり ぼり そわか

御詠歌・後の世を 思へば恭敬 焼山寺 死出や三途の 難所ありとも


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